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平成27年7月、ドイツで開かれた第39回ユネスコ世界遺産委員会において、日本政府が推薦した「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産に登録されました。
その「明治日本の産業革命遺産」のうち、製鉄・製鋼分野の構成資産の一つが、中間市に所在する「遠賀川水源地ポンプ室」です。
遠賀川水源地ポンプ室の見学についてはこちら(駐車場情報など)
写真提供:日本製鉄(株)九州製鉄所※掲載の写真は転載禁止です
遠賀川水源地ポンプ室は、官営八幡製鐵所の鋼材生産量の倍増を目指す第一期拡張計画に伴い、製鉄のための工業用水が大量に必要となったことから、新たに遠賀川から製鐵所へ送るための施設として建設され、1910(明治43)年に操業開始しました。
遠賀川水源地ポンプ室は、遠賀川のほとりに建つ街のシンボルとして、長年親しまれてきました。
ポンプ室の建屋はイギリス積みの赤煉瓦造で、デザインのアクセントとして灰白色の鉱滓(こうさい)煉瓦が使用されています。丸窓や連続した半円アーチ窓が印象的な建造物です。
当初、ポンプ室の北側の棟には送水のための蒸気ポンプ、南側の棟には動力源となるボイラーが設置されました。ポンプ室はこれらの機械を覆う上屋として建設されたため、非常に大きな建造物となっています。
ポンプ室の内部にある送水設備の動力は、1950年代に蒸気から電気へ移り変わりました。100年以上経った現在もなお、役割は変わることなく、鉄づくりのための水を送り続けています。
遠賀川水源地ポンプ室は現在も稼働している送水施設です。
敷地内の立ち入りはできませんが、下記のとおり外観を見学できる施設などを設けています。
公共交通機関でお越しの方はこちら (PDFファイル:1.79MB)
中間市へのアクセス<外部リンク>
眺望スペースから、遠賀川水源地ポンプ室の外観を見学することができます。
ポンプ室の解説案内板や写真映えするデザインベンチ等が設置されており、近くには、近年まで実際にポンプ室で使用されていた電動ポンプも展示されています。
所在地 | 福岡県中間市土手ノ内1-3-1(県道73号歩道沿い) |
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見学時間 |
常時見学可能 ※土曜日・日曜日・祝日(年末年始を除く)は、観光ガイドが解説を行っています。(天候等により休止する場合があります。詳しくは下記の問合先へお尋ねください。) |
アクセス | 筑豊電鉄「希望が丘高校前」駅から徒歩約10分 |
駐車場 |
あり(平日:3台、土曜日・日曜日・祝日:10台) ※詳細は上記のアクセス情報をご覧ください。 ※満車の場合は、中間市役所前河川敷駐車場(徒歩約10分)をご利用ください。 ※団体バス用駐車場をご利用の際は、事前に下記の問合先へお申込みください。 |
遠賀川水源地ポンプ室の操業当時の古写真や、出土した煉瓦や鋳鉄管、模型など、ポンプ室の歴史が詳しくわかる展示を行っています。
他では見ることのできないポンプ室建物内部の3D計測映像も放映しています。
併設の物産館ではお買い物も楽しめるほか、電動自転車の貸し出し(有料)なども行っています。
所在地 | 福岡県中間市大字垣生660-1(中間市地域交流センター内) |
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開館時間 | 9時~18時 |
休館日 | 火曜日(祝祭日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日) |
アクセス | JR筑豊本線「筑前垣生」駅から徒歩約5分 |
駐車場 |
あり ※大型バスは中間仰木彬記念球場駐車場(徒歩約1分)をご利用ください。 |
遠賀川水源地ポンプ室について紹介するパンフレットです。
見学の際に合わせてご覧ください。
遠賀川水源地ポンプ室パンフレット1(PDF:5,049KB)
遠賀川水源地ポンプ室周辺の近代化遺産などを散策できるコースマップです。
雄大な遠賀川を眺めながら、近代化の足跡をたどってみませんか。
幕末から明治時代にかけて、日本は西洋の技術や機械を取り入れ、驚くべきスピードで西洋以外の地域で初めて産業革命を成し遂げました。これほど短期間で産業革命が成功したことは、世界でも珍しいことです。
その中心となった産業が、製糸・紡績などの軽工業と、製鉄や造船などの重工業です。そのエネルギーには石炭が必要になるため、石炭の産出量が多い九州では、特に石炭産業が発展しました。
「明治日本の産業革命遺産」は福岡県とその他の7県にある製鉄・製鋼、造船、石炭産業に関連する23の遺産群です。日本の産業革命の大きな原動力となった重工業の遺産として、世界遺産に登録されました。
遠賀川水源地ポンプ室など、現在も使われている産業施設が世界遺産に登録されたのは日本で初めてのことです。