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自然との共存 つながるなかま~みんなで広げよう「ワンヘルス」
中間市ワンヘルス推進宣言
中間市はワンヘルス推進を宣言します!
ワンヘルスとは?
ワンヘルス(One Health)とは、「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を一つの健康ととらえ、一体的に守っていくという考え方です。
私たちが健康に暮らしていくためには、地球に暮らす動物、そして地球自身も健康である必要があります。
ワンヘルス実践の6つの基本計画
「福岡県ワンヘルス推進基本条例」は、福岡県におけるワンヘルス実践の仕組みをつくることにより、人と動物の命や健康、環境の健全性を一体のものとして守り、その活動を次の世代につなげていくため、6つの基本方針を示した条例です。「ワンヘルスの推進」を掲げた条例としては、全国で初めてとなります。
福岡県ワンヘルス推進条例に基づき、中間市として『自然との共存~つながるなかま~』を目指し、「次世代につなぐ人と動物の健康および健全な環境が調和した社会の実現」のため、中間市の取組として、県と協力しながら、ワンヘルスを推進しています。
1.人獣共通感染症対策
◎医療、獣医療をはじめ各分野と連携し、発生予防、まん延防止を図る。
「人獣共通感染症」は、人と動物双方に感染する共通感染症です。人の感染症の約60%を占めると言われており、新型コロナウイルスや牛海綿状脳症(BSE)、鳥インフルエンザなど国内外で大きな社会問題となった病気がたくさんあります。また、近年新たに発見された「新興感染症」の約75%にあたるともされ、WHO(世界保健機関)で確認されているものだけでも200種類以上あります。
これらの感染を防ぐには、病原体を保有している動物や食品など(感染源)、飛沫感染や接触感染などの病原体が体の中に侵入する経路(感染経路)、ウイルスや細菌などに寄生される生き物(宿主)の3つの要因への対策が必要です。
【私たちにできること】
病原体の排除や侵入経路の遮断、免疫力の向上のため、日ごろから手洗い・咳エチケット等の基本的な感染防止対策や感染予防のための口腔ケアを行いましょう。
また、ペットと触れあったあとは手を洗う、草やぶなどに入る際は長袖・長ズボンを着用するなど、動物やダニなどからの感染に注意しましょう。
2.薬剤耐性菌対策
◎薬剤の適正使用を推進する
「薬剤耐性菌」とは、抗微生物剤に対し抵抗性を獲得した細菌のことです。この薬剤耐性菌による感染症が発生した場合、これまで使用していた抗微生物剤が効かなくなるなど、治療が困難となります。
今、この薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗微生物剤の開発は減少傾向にあり、世界的にも大きな問題となっています。
国連はこのまま何も対策をとらなければ、2050年までに薬剤耐性によって、発展途上国を中心に年間1000 万人が死亡し、がんによる死亡者数を超え、経済的にもリーマンショック時の金融危機に匹敵するダメージを受ける恐れがあると警告しています。
【私たちにできること】
抗生物質の効かない薬剤耐性菌の発生を減らすため、処方された抗生物質は、途中で服用をやめず、用法用量を守り、最後まで飲み切りましょう。
また、薬剤耐性菌による感染症の一部は、動物から人、人から動物に感染することも確認されています。愛玩動物(ペット)が病気にならないように、日ごろからペットの健康にも気を配りましょう。
3.環境保護
◎自然環境の保全を図る
近年のグローバル化や大量消費・大量生産は、森林や生態系を破壊し、気候変動の一因になっています。
その一つ、地球温暖化は、豪雨や台風など様々な災害の原因となり、人だけでなく動植物にも大きな禍をもたらします。
また、大規模な森林伐採や急速な開発による都市化は、それまでジャングルの奥地に生息していたウイルスなどの病原体と人が遭遇する機会となり、新しい感染症が発生する恐れがあります。
自然環境は、人を含む様々な生物が生きる場です。生態系を守り、人と動物とのすみ分けが保たれてこそ、人と動物の健康を保つことができます。そして、健全で豊かな自然環境を次世代に引き継いでいかなければならないことも忘れてはなりません。
【私たちにできること】
地球温暖化対策として、二酸化炭素の排出を抑えるため、外出する際は自家用車ではなく、バスや電車などの公共交通機関を利用したり、自転車、徒歩で通勤通学をするよう、心がけましょう。
また、環境に配慮した商品を率先して購入したり、地域の自然を保全するための地域活動に参加しましょう。
4.人と動物の共生社会づくり
◎動物愛護の推進と野生動物の理解と共存を図る
犬や猫、鳥などの愛玩動物(ペット)は、私たちの生活に潤いや安らぎを与え、今や家族の一員となるほど重要な存在になっています。また、災害救助やアニマルセラピーなど、私たちの社会活動の様々な場面で活躍する動物もいます。
このように人と動物が共生している一方で、安易な飼育や遺棄や虐待、悪質な業者による販売などが社会問題となっています。また、過度なふれあいや不適切な管理により、愛玩動物を介して人獣共通感染症に感染する事例も発生しています。
人と動物との関係をより良く保つためには、動物の生態や本能、習性をよく理解し、動物を飼う場合には、飼い方等を十分に知っておく必要があります。
【私たちにできること】
飼っている動物には、予防接種や健康診断を受けさせ衛生管理に気を配り、寿命を迎えるまで適切に飼養しましょう。災害時などで迷子にならないようマイクロチップへ情報登録して、装着しましょう。
また、野生動物とは適切な関係を保つため、餌を与えたり、人家に餌となるものを放置しないようにしましょう。
5.健康づくり
◎動物愛護の推進と野生動物の理解と共存を図る
人の健康は、適度な運動習慣の定着や、食生活の改善といったことに加えて、人や動物が心も体も健やかな状態で過ごすことができる生活環境において育むことができます。
例えば、豊かな自然の中を散歩したり、動物と触れ合うことは、年齢や性別、障害の有無に関わらず、人を元気にする力があります。
森林とふれあうことは、ストレスホルモンの減少や血圧の低下、脈拍数の低下、免疫機能の増加等の効果があることが科学的にも実証されています。
これからの健康づくりは、動物や環境とのつながりを大事にしていく必要があります。
【私たちにできること】
ハイキングや地域で開催されている自然観察会への参加等を通じて自然とふれあうとともに、身近な自然への理解を深めましょう。
ドッグランなどが整備された公園へ出かけるのもおすすめです。
6.環境と人と動物のより良い関係づくり
◎健全な環境下における安全な農林水産物の生産・消費・食育を推進する
「食」は、私たちの健やかな毎日を支える源です。私たちの健康は、健全な環境で生産された健康な家畜や、安全な農作物・水産物などを食べることで維持されています。
そして、米や野菜等を作るには、健全な環境の農地や水が必要です。また、肉・卵・牛乳などの畜産物は牛・豚・鶏などが健康に育つよう、その飼育環境や餌の安全性に配慮しなければなりません。さらに、納豆やチーズなどの発酵食品は、乳酸菌やビフィズス菌などの微生物の働きで作られています。
このような「食」に対する知識を持ち、「何を食べるのか」「何を食べてはいけないのか」を学ぶ「食育」を通して、農作物・水産物が作られている環境について関心を持つことも大切なことの一つです。
【私たちにできること】
福岡県では、おいしい農産物・水産物がたくさん生産されており、四季折々の旬の食材を楽しむことができます。特に、旬の食材は、栄養価が高く、安価で、その時期に身体に表れやすい不調を整える働きがあると言われています。
福岡県で生産されたものを県内で消費する、地産地消を推進することは、農産物を輸送する距離が短くなり、エネルギーと二酸化炭素の排出量の削減につながり、環境への負荷を軽減することもできます。
中間市でも、平均20%の県産の食材を使って給食が作られています。
ぜひ、県産のおいしい農林水産物を積極的に買って応援、おいしく食べて応援しましょう。
毎年11月3日はワンヘルスデー
非政府組織や市民団体によって国際キャンペーンが行われています。
「ワンヘルスデー(One Health Day)」の目的は、ワンヘルス・アプローチの認知度を高め、人、動物、環境の健康を守るために取り組んでいる人々の活動を称えることです。
世界保健機関(WHO)などの国際機関もこのキャンペーンに参加しています。
《英語サイト》One Health Day<外部リンク>